我々はこの世の万物事象を言葉に置き換えることにより、その万物事象を理解したかのような気になる。
だが、これは単にこの世の万物事象に「レッテルを貼った」だけであり、その万物事象が意味する「本質」を理解したわけではない。
私はここまで工学メカニズムの研究開発に従事して来たが、この研究開発の根幹は万物事象の本質を、いかに見抜き、理解するかにかかっている。
その経験で言わせてもらえば、身の回りに起きる現象に対する我々の理解力は、ほとんど「猫に小判」の状態であり、その観察眼はほとんど「ふし穴」程度の状態である。
子供の頃に恩師に教えられた「箴言の本質」が理解されるのは、その子供が白髪の老人になってからなのである。
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