壁にボールを投げる時、科学の方法論はニュートンの運動方程式を使用して、このボールの壁からの距離、初速度、角度等を知ることにより、壁で跳ね返ったボールがどこに帰って来るかを予測可能である。
だが「そんな計算」などしなくとも子供は壁に向かって投げたボールがどこに帰って来るのかを「瞬時に把握」してキャッチすることができる。この子供からすれば、ニュートンの運動方程式とは「何と稚拙な方法」であろうかと考えるに違いない。
この例が示すように人間は科学の方法論である「ニュートン力学」や「アインシュタインの相対性理論」や「シュレジンガーの波動方程式」や「ボーアの量子論」・・等々の難解な科学理論を知らなくとも、それ以上のことを日常において、何の苦もなく実行しているのである。
この「事実」を、科学者はいったいどのように説明するのであろうか・・?
もし、我々が日常において行うさまざまな行為を、これらの科学的方法論で記述しようとするならば、気が遠くなるほど膨大で、難解な方程式の羅列をもってしても不可能であろう。
実空間に存在する人間、あるいは他の生物、植物・・等々もみな同様に、このようなことを「すでに知っていて」、それらを「難なく行う」ことができる能力を備えているのである。
現代科学の粋をもってしても、この不可思議な能力を説明することは不可能である。
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