物質宇宙に相対性の法則が在るように意識宇宙にも相対性の法則が在る。
この世に絶対的な正義や善は存在しない。
存在するのは、ある基準の上に立った正義であり、善である。
その基準は人間が置かれた社会システム上の「立場」から発生し、また歴史上のそれぞれの時代がもつ「価値観」から発生する。
10人の人間がいれば10の立場が在り、その立場に従った10の正義と善が存在するし、また時代のもつ価値観で言えば、ある時代の正義や善は、別のある時代においては不正義であり、悪である。
正義や善悪の基準がこのように置かれた立場や時代の価値観の相対性で変遷し、流転する以上、巷間、口角泡を飛ばして激論する人々のそれぞれの主張意見の基盤は「砂上の楼閣」ほどに脆弱である。
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