では優良な「知本」とは何か・・?
知本の基となる知識や知恵は社会システムの中を飛び交う各種の「情報」を「読んで」、「聞いて」、「見て」、その意味を「考える」ことにより「集積」される。
だがこれは知本の半面でしかない。優良知本とは、さらに集積された知識や知恵が強い思いに支えられた「意志力」によって統合されなければならない。
それは陽明学の「知行合一の思想(知って行わざるは、知らぬと同じ)」なのであり、物事は「分っていても、することができなければ」意味がないのである。
情報に基づいた知識や知恵がいかに集積されたとしても、実際にそれを行為として運用する強い意志力に支えられていなければ「優良知本」とは言えない。
今や21世紀情報化時代を迎え、さまざまな情報が日々怒濤のごとく社会に発信流布される。だがそれらの情報によって意志力を具備した優良知本を産みだしている企業や人の数はまだ希少である。
情報からの知識や知恵の集積という知本の一面を所有せる人が20%程度とすれば、他の一面であるその集積された知識や知恵を運用する強い意志力を所有せる人はその20%の中の5%程度であろうか・・?
結果、0.2×0.05=0.01、つまり、全体の1%程度、100人中の1人である。
日本人特有の「分っちゃいるけどやめられない・・」、「ここはまあとにかく・・」等々の慣習はここまでは有効であったかもしれないが、今後の日本繁栄を左右する「優良知本の創設」にとっては大きな「障害」となろう。
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