確かなことは、人間はまぎれもなく、そしてまちがいなく、死ぬことである。
ある人の人生が「本物」であるか否かは、このまぎれもなく死ぬという意味をしっかりと「自覚」しているか否かにより決まる。
この意味では現代日本人はかなり「偽物」が多い。
それは長く続いた平和で安定した社会環境の中で、この人間が確かに死ぬことを顕在意識上で自覚しなくなり、潜在意識下において永遠に生き続けるかのごとく思うようになってしまったことに起因する。
人間無駄なことをするのは致しかたがないことではあるが、あまりに無駄が多いことは考えものである。
万物の霊長と尊称される人間であってみれば、このはるかに無駄なことを少々無駄でなくすることぐらいは努力しなくてはならない。
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