刹那の威力は日本刀の煌めきに表象される。
Pairpole宇宙の構造から導かれる「合計0の宇宙法則」は我々に何をやっても結果は同じというニヒリズムをもたらすが、このニヒリズムを突破する道はPairpoleの狭間にある「刹那空間」にある。
刹那空間とは時間軸に垂直な超因果的な空間であり、心理学者ユングの言う共時性が発現する空間である。また現在と過去・未来の狭間、暗と明の狭間、夜と昼の狭間(朝靄と夕霞、曙と黄昏)であり、かぎろいとおぼろが支配する世界である。
刹那空間では、常に何ものかが生まれ続け、また同時に何ものかが死に続けている。
それは時間も空間もない生死混沌の世界であり、存在と無が混濁し、発生と消滅が混濁するカオスの宇宙である。
時間軸に添って構成されている連続宇宙ではPairpole宇宙の「合計0」の宇宙法則が万物事象の存在を制約しているが、時間軸と垂直に構成されている「時間0」の刹那宇宙ではPairpole宇宙の合計0の宇宙法則はまだ有効性を獲得していない。
ここに我々が陥る「合計0のニヒリズム」の陥穽から脱出できる可能性が存在する。
刹那の威力とは「このこと」である。
我々が今の今という「時間0」の刹那を知覚し、意識の覚醒を為せば、この刹那の威力を行使することが可能になる。
古今、勝負は常に一瞬の刹那に存在し、研ぎ澄まされた日本刀の一閃の煌めきは、その威力の切れ味と、凄みを象徴しているのである。
|