この区別と識別はさまざまな価値観を人間社会の中に制作する。
「あれ」を善しとすれば、「これ」は悪となり、「あれ」を美とすれば、「これ」が醜となる価値観の制作である。
この価値観の制作はまた相対性の本質である。
「あれ」を善しとするとは、「あれ」を善の相対基準にすることであり、「あれ」を善の相対基準とした以上、「これ」は相対的対称である反対の位置と立場である悪の相対基準に移行することは必然の成り行きである。