Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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地図帳と羅針盤
 そうあわてる必要はない。人生において「一大事」などはそうたくさんあるわけではない。まして現代のように虚行、虚言、戯言、妄想が横行する世であってみればなおさらである。

 「大変だ、大変だ」とあわてふためくことは、「ただ、ただ」疲れるのみであり、他に遅れじとなりふりかまわず、しゃかりきにアクセルをふかしてスピードを上げてみても、「迷妄せる地図帳」と「迷妄せる羅針盤」では行けるところなどあろうはずはない。

 幾分ましな所へ行くことを望むならば、「そこそこ正確な地図帳」と「そこそこ正確な羅針盤」を必要とする。

 急がば回れのたとえのごとく、今はゆっくりとこの地図帳と羅針盤を用意することである。しからば、「いつか」旅立ちの時は自ずとやって来るのである。

2002.9.04

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