今、生きて活動している地球上の人々は100年も経てば誰も生きてはいない。生きているのは「次の地球上の人々」である。我々が関係をもてる人々は今、現在生きている人々でしかない。
そうしてみると人間の一生などは歴史という長大なドラマの各場面にヒョッコリ姿を現した端役のつたない演技のようなものでしかない。そのような同時代人で織りなされたドラマの各カットは歴史記録の1ページに記載される場合もあれば、記載されない場合もある。
だが各過程で織りなされ構築されたドラマの1場面は、次の歴史ドラマの場面構築に影響を及ぼす。つまり、「親の因果が子に巡り」という「因縁の成立」である。我々は今まで歴史の彼方へ去っていった人々の因縁の上で歴史ドラマを演じているということである。また、この歴史ドラマは一話完結ではなく連続ドラマであり、その筋書は誰にも解らない。シナリオは壮大な歴史ドラマが進行した後で形づくられる。
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