Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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1+1=2 ?
 1+1=2とは数学の世界では正しい。しかし、我々が生活する社会の中では正しいかどうかわからない。

 1+1=2が自分たちにとって都合が良く、それによって立場が失われない人々にとっては正しい。1+1=2が自分たちにとって都合が悪く、それによって立場が失われる人々にとっては正しくない。

 社会は論理が正しいとか、正しくないとかで動いているわけではない。社会は各々の立場が立つか立たないかで動いているのである。これを「自己保存の法則」と呼ぶことにする。これもまた科学であり、理路整然たる論理である。

 この論理では1+1=0であり、1+1=3であり、1+1=5である。つまり、この法則では100人いれば100通りの立場があり、ともなった100通りの正解がある。

 1+1=2とはごく限られた世界の正しさであり、社会を制御する自己保存の大法則からすれば、ごく限定された領域でしか適用できないものである。

 よって、社会では大多数の人々の立場が失われないことをもって、それが「正しい」こととされる。社会学的な真理の構造である。

2002.8.06

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