1+1=2とは数学の世界では正しい。しかし、我々が生活する社会の中では正しいかどうかわからない。
1+1=2が自分たちにとって都合が良く、それによって立場が失われない人々にとっては正しい。1+1=2が自分たちにとって都合が悪く、それによって立場が失われる人々にとっては正しくない。
社会は論理が正しいとか、正しくないとかで動いているわけではない。社会は各々の立場が立つか立たないかで動いているのである。これを「自己保存の法則」と呼ぶことにする。これもまた科学であり、理路整然たる論理である。
この論理では1+1=0であり、1+1=3であり、1+1=5である。つまり、この法則では100人いれば100通りの立場があり、ともなった100通りの正解がある。
1+1=2とはごく限られた世界の正しさであり、社会を制御する自己保存の大法則からすれば、ごく限定された領域でしか適用できないものである。
よって、社会では大多数の人々の立場が失われないことをもって、それが「正しい」こととされる。社会学的な真理の構造である。
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