アインシュタインも言っているんですけども、大事なのは「想像力」だと。知識よりも想像力だと言っているんですね。
どうも日本の、何て言うんですか、知識人といわれる人みんなそうだと思うんですけども、これ(→地球は丸い)になっちゃっているんですね。
ですからわかったようなつもりになっちゃっているんですよ。
もう外国のいろんなものを日本語に訳す時にこのような訳し方をしますから、そうすると「地球は丸い」。そりゃそうだとね。
だけど本当の感動っていうのはやっぱり「大地が丸い」ということがわからないと、アリストテレスのその驚きというのはわかんないわけです。
ですから皆さんが科学者だとか、あるいは技術者を目指す場合には、もちろん知識も大事ですね。物事を考えるのに知識がなきゃ全然考えられませんからね。
知識は大事なんですけども、それ以上に先ほどから言っているように想像すること、自分の頭で考えること。
そのときに発見する驚きだとか歓び、これはもう何にもかえがたい歓びなわけです。そういうものをぜひとも味わってもらいたい。
この間、田中さん、ノーベル賞をとりましたね。
ぜひとも安曇野のこの穂高東中学の中から将来、その田中さんみたいにノーベル賞をとるような立派な科学者がぜひ出てほしいなと。
皆さんはそれは夢物語と思うかもしれませんけども、実はその周りにいっぱい転がっているわけですね。
今言ったように、先ほど「群盲象をなでる」っていう話をしましたけども、蛇でヒラメで丸太で岩というものはいっぱい転がっているわけです。それを自分でやっぱり追求して想像する。その中で初めてこういう感動っていうのは出てくるわけですね。
それは夢ではなくて、皆さんが目指せば十分できることなわけです。
今、日本はちょっと元気がない社会になってしまっていますけども、ぜひともこれから日本を背負っていく皆さんはそういうことを、これからも夢いっぱいなわけですから、ぜひともそういう感動を得られるような勉強を頑張ってしていってもらいたいなというふうに思います。
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