Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知のワンダーランドをゆく〜知的冒険エッセイから
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知的ツールと編集基準
 人間意識には「編集機能」が内在している。
 人生の価値観は、この人間意識に内在する編集機能に付帯する編集基準から構築されている。さらに、その人生の価値観の上位に位置する世界観(宇宙観)は、この人間意識の個別的編集基準が集合された、集団的編集基準から構築されている。その集団的編集基準によっては、宇宙は天動説にも、地動説にもなり得る。
 現代人の価値観や世界観の構築において、最も代表的な編集基準は「科学的合理性」という編集基準であろう。
 現代人がこの世の万物事象に対し、「これ」と判定するにおいては、それをそのように決定せしむるにたる編集基準がなければ不可能である。 現代人は自覚するかしないかにかかわらず、科学的合理性という編集基準によって、人生の価値観や、その価値観を包含する世界観を決定しているのである。
 人類は古来より、2つの「道具(ツール)」を使用し、生活を営んできた。 ひとつは「物的ツール(自動車、工作機、コンピュータ等々)」と呼ばれる道具であり、他のひとつは「知的ツール(思考基準、社会規範、工業規準等々)」と呼ばれる道具である。
 この知的ツールこそが、ここで言う意識の編集基準に他ならない。
 物的ツールと知的ツールの関係を詳細に思考すると、ツールの主従において、知的ツールが主体的で、物的ツールが従体的であることが理解される。 自動車、工作機、コンピュータ等々の物的ツールは、それ自体において機能性や運用性の意味が存在しない。それらが機能性や運用性の意味を獲得するのは、知的ツールである人間意識の編集基準で、それらの物的ツールの機能性や運用性の意味を制御し、決定した場合だけである。 例としては、はなはだ不適切ではあろうが「馬鹿とハサミは使いよう」ということわざが、この状況をうまく描写している。
 米国マイクロソフト社のオペレーティングソフト「Windows」はコンピューターソフトウェアの編集基準である。この編集基準の登場により、パーソナルコンピュータという物的ツールが、現代社会の中で急速な普及と発展をもたらし、我々の生活を劇的に変化させたことは周知のごとくである。
 また私が構築した「Square」、「Squarefour」、「Wavecoil」、「Pairpole」と名付けた4つの知的ツールも、物的ツールの機能性と運用性を制御する編集基準である。( Pairpole 宇宙モデル 参照 )
 Square と Squarefour は機械工学に運用される知的ツールであり、Wavecoil と Pairpole は物理学、経済学、社会学等々に運用される知的ツールである。  これらの知的ツールは、宇宙に内在する根源的対称性から導かれたものであり、次の対称性編集基準から構築された。
 Square は「構造」の対称性編集基準
 Squarefour は「構造と運動」の対称性編集基準
 Wavecoil は「存続」の対称性編集基準
 Pairpole は「存在」の対称性編集基準
 構造と運動の対称性編集基準である「Squarefour」は、人類が長い歴史を通じて使用してきた構造の対称性を表象している「普遍的形状□」と運動の対称性を表象している「普遍的循環数4」から構成された知的ツールである。 その 普遍形□ と 普遍数4 は、人類が生活するにおいて選定した、最も基本的な編集基準である。
 世界観(宇宙観)を編集するにおいて、「形」と「数」は根源的であり、数学では、形は「幾何学」として編集され、数は「代数学」として編集されている。 幾何学は「宇宙のアナログ的編集」であり、代数学は「宇宙のデジタル的編集」である。 また幾何学は「宇宙の空間的編集」であり、代数学は「宇宙の時間的編集」である。
 物理学では、我々が生きる宇宙を「空間」と「時間」いう、2つの構成要素から構築された世界であるとしている。これから考えれば、この「形」と「数」の編集基準の基本性が了解されるであろう。 このように基本的な「形」と「数」の編集基準について、より深く、より広範に、研究されてしかるべきであると思うのだが、この視点からの研究は、いまだに未開の荒野に放置されている。
 私は工学メカニズムの研究から「形□」と「数4」の2つの基本的編集基準に至ったのであるが、特に歴史学的視点、社会学的視点から多くの直観的啓示を受け、その啓示がこの研究の展開に大きな効果をもたらした。
 人類は遙かな歴史空間を通じて、この 基本形□ と 基本数4 を使用し、応用し、社会を構築し、文明を構築してきた。その結果として、現代社会で生活する我々の身の周りに、その 基本形□ と 基本数4 が、さまざまな意味を構築している。その意味は普遍化され、現代人の潜在意識となっている。もはやその意味さえも考えない程に普遍化されているということである。 つまり、建物が□であり、テーブルが□であり、用紙が□であり、面積単位が□であり ・・ 方位が4方位であり、エンジンが4サイクルであり、経営年度が4半期であり、物語が起承転結の4つの展開であり、歳月が春夏秋冬の4つの季節であり ・・ 等々。
 「Squarefour」は、構造の対称性□ と 運動の対称性4 の知的ツールであるが、構造の対称性とは、換言すれば 空間の対称性 であり、運動の対称性とは 時間の対称性 である。
 さらに構造と運動がともに対称性をもつものを、この宇宙に探すと「波動」に行着く。
 波動をひとつの「波」として観察すると、ひとつの波には「4つの特異点」があることが理解される。「陽の極点」、「陰の極点」、「陽から陰への変節点」、「陰から陽への変節点」の4点である。 四季に例えれば、陽の極点は夏であり、陰の極点は冬であり、陽から陰への変節点は秋であり、陰から陽への変節点は春である。四季とは「ひとつの波動」であり、その波動は、地球と太陽の公転運動という循環運動の結果として顕れる。
 つまり、循環運動(回転運動)は波動の別側面である。
 人類は宇宙の循環運動に内在する波動の4つの特異点から、基本的循環数4を直観したのである。この基本的循環運動こそが、また「時間の本質」でもある。
 換言すれば「時間とは波動に内在する4つの特異点の循環である」と言うこともできる。
 波動運動の3次元空間的表現は「螺旋運動」であり、波動に内在する4つの特異点は、この螺旋円上に90度間隔で位置する4つの点として顕れる。この螺旋円上の4点を結ぶと、そこに基本形□が顕れるのである。 これが3次元空間に顕れる基本形□の発生原理である。
 我々人類が、自分たちが生きる世界(時空間)を編集する編集基準として、基本形□ と 基本数4 を選択した真の理由は、この時間と空間が織りなす波動循環運動を直観したことに帰因する。
 この構造と運動がともに対称である波動から導かれた知的ツールが「Wavecoil」であり、この編集基準は波動理論を構築した物理学者シュレジンガーの辿った道筋に重なる。宇宙が存続するためには、この対称性法則に従わざるを得ない。 つまり、「存続の証明」である。 詳しい説明は割愛するが、宇宙の存在の対称性から導かれた知的ツールが「Pairpole」であり、この編集基準は量子論物理学者ディラックが述べる、虚のエネルギでゆらぐ真空からの電子(物質)と陽電子(反物質)のペア粒子発生の過程と対消滅の過程に重なる。宇宙が存在するためには、この対称性法則に従わざるを得ない。 つまり、「存在の証明」である。
 以上述べてきた Square、Squarefour、Wavecoil の3つの知的ツール(編集基準)は結局、基準の基準である Pairpole の「絶対的対称性基準」に帰着する。
 この宇宙の創世における、唯一絶対の初期条件とは「Pairpole対称性」であり、その初期条件のPairpole 対称性は、時間の経過とともに、徐々に崩れていく。 この対称性の崩れを熱力学ではエントロピー増大の過程として述べている。この世の万物事象が時間経過とともに、カオス化(混沌化)して行くという状況がエントロピー増大の風景である。
 こうして、宇宙の初期条件である絶対的対称性はカオスの海の中に没し去って行くが、一方において、ノーベル賞物理学者イリヤ・プリゴジンは、混沌とカオスが極限まで進行し、臨界点に達すると「自己組織化」と呼ばれる 再結晶化 が起きることを発見した。 つまり、「Pairpole対称性」の回復である。これは宇宙の根源的法則である「Pairpole対称性」さえも波動循環することを物語っている。 つまり、この世が「生々流転」することは、絶対的な「宇宙の理」なのである。
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