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ビジョンウィンドウから眺める信濃の四季

窓の向こうに世界が見える〜信州つれづれ紀行から
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栂池高原 / 長野県北安曇郡小谷村
エデンの彼方
 富蔵湖を撮り終えてから、上空を移動する太陽を追うように、麻績、大岡村を経て、国道19号に下り、信州新町からは白馬長野有料道路を使って白馬山麓に至り、北上して栂池高原の街区を通り抜け、見晴らしのきく高台に到着したのだが、太陽はすでに数刻前にアルプス山塊にたどり着き、斜光となって山稜の向こうに過ぎ去ろうとしていた。
 高台には暑かった1日を静かにクールダウンするかのような涼風が吹き渡っている。眼下に小さな池が望まれ、その畔にあるレストハウスの壁面に「エデン」という英字名が認められる。アダムとイブが住んだ楽園(理想郷)をハウス名とした心意気や佳し、栂池の自然と対峙して一歩も引いていない。その裏手の山腹では白馬乗鞍の山頂直下に広がる高天原「栂池自然園」に向かうゴンドラリフトが休むことなく昇降を繰り返している。振り返った東方は深い谷が大きな空間で落下しており、谷あいの南方には白馬村の集落が林間に横たわり、北方には長野県の県境に位置する小谷村の集落が飛び石のように山間に点在している。さしもの都会の喧噪も「エデンの彼方」までは、いまだ届くには至っていない。
文・撮影 / 柳沢 健
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