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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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富士見高原 花の里 / 長野県諏訪郡富士見町
恋人にはぐれた彼のよう
 この花園は当初「ゆりの里」と呼ばれていたが、2013年からは「花の里」と呼ばれるようになった。前回(第395回)訪れたのは2015年8月のことであったが、まだ「ゆりの花」が主体で、その他の花が2割から3割といったところであった。だが今回訪れてみると時期が遅かったせいもあろうが、ゆりの花は皆無の状態であった。もともと生育が難しいゆりの花ではあるが、今年の異常気象が追い打ちをかけたのかもしれない。
 白樺林の中に咲く色彩豊かなゆりの花は風情があって見事であったが、今日見る白樺林はその可憐な姿も消え失せ、緑と白のコントラストだけが静寂の空間にたたずんでいるのみである。人影途絶えた林間の小径をたどって帰路についたが、気分は「恋人にはぐれた彼のよう」であった。

2017.08


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