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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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里山に想う / 長野県松本市
自由研究の成果はいかに
 自宅の裏に広がる里山に登ってみると風景は一変していた。松くい虫によって全滅してしまった大量の赤松の伐採が進み、森林はすきずきしてしまっていたからである。見えなかった市街地も見れるようになり風通しがよくなったと言えば聞こえはいいのであるが、山林としての保水力はかなりの程度で低下したことであろう。 以下の記載は、昨年の夏、松本にやって来た娘の長男(小学生)が取り組んだ「松くい虫の大量発生」と題する自由研究のために私がまとめてやった要点のレジメである。
< 松くい虫の大量発生 >
○ 原因は松くい虫の大量発生
 「松くい虫」と言っても松くい虫という虫がマツを枯らしているわけではありません。マツノマダラカミキリという昆虫(こんちゅう)が、病原体(びょうげんたい)となるマツノザイセンチュウという微小(びしょう)な生物を健全(けんぜん)なマツに運ぶことでマツを枯らしてしまう伝染病(でんせんびょう)です。松くい虫(マツノマダラカミキリ)が大量発生した理由はよくわかっていませんが、農薬などの散布(さんぷ)によって松くい虫の天敵(てんてき)がいなくなってしまったからとも、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)によって自然環境(しぜんかんきょう)が変化してしまったからとも言われています。
 現状(げんじょう)では松くい虫の有効(ゆうこう)な駆除方法(くじょほうほう)は見つかっていません。もしこのまま対策(たいさく)がなされなければ、アカマツは全滅してしまうかもしれません。
○ 全滅してしまった場合の問題点
1.保水力(ほすいりょく)を失った山肌(やまはだ)は、集中豪雨(しゅうちゅうごうう)などによって、山崩れ(やまくずれ)や川の氾濫(はんらん)を発生させる。
2.アカマツから生まれる松茸(まつたけ)がとれなくなってしまう。
このような状況(じょうきょう)が全国の山林(さんりん)に広がるまえに
今、1日もはやい対策が求められています
 悪戦苦闘の夏休みをあとして東京に戻った彼が学校で発表した研究成果については聞いていない。今度来たら聞いてみようと思っている。
2017.01

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