Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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大海を知らない蛙の世界〜多世界宇宙解釈
 哲学者ニーチェや文豪ゲーテは 「科学的合理主義が行き着く先の世界」 を大いなる不安と危惧をもって予測した。 その予測した通りの世界が 「今の世界」 である。
 だが失望するには及ばない。 その世界もまた宇宙全体からみれば 「あるひとつの宇宙の中のささいな出来事」 にすぎないのであって、よしんばそのひとつの宇宙が消えてしまったとしても、宇宙全体からみればどうといったことはないのである。 (多世界宇宙解釈を参照)
 しかるにこの世の喧噪は何たることであろうか? かって、身のまわりの 「大変だ大変だ」 は日本全体にとっては 「それほど大変なこと」 ではなく、世界全体にとってみれば 「どうでもいい」 ことであると書いたことがある。 だがその世界全体が含まれている 「ひとつの宇宙が消えた」 としても何らも問題は生じないのである。 これらの多世界宇宙構造を解明する 「最先端量子論物理学」 など知ったところで金になるわけでもなし意味がないとする 「経済至上主義」 に汚染され尽くした現代社会の様相はあたかも 「井の中の蛙 大海を知らず」 の 「蛙の世界」 のようにも観えてくる。 意味がないのはあるいは経済至上主義の世界なのかもしれない。

2019.04.10


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