Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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細部が失われた全体
 インターネットが創りだした 「眠らない惑星」 に特段の内実は存在せず、地域を失った全体の世界とは 「大いなる空白」 であって、そこに存在するものは 「無味乾燥の虚無」 である。 達成された 「世界はひとつ」 はグローバルスタンダード(世界標準)の名のもとに構築された巨大な経済システムであって、それを人類幸福のための 「世界はひとつ」 に置きかえることは、はなはだ浅慮であって、その思考は錯誤の道に迷い込んでしまう。
 人類個々人はそれぞれ 「唯我独尊の顔」 をもっているのであって、それを金太郎飴のごとき 「どこを切っても同じ顔」 であるような 「世界標準の顔」 に代えてみても 「人間としての実存」 が得られないことは明白であろう。 無味乾燥の虚無とは、言うなれば、その独尊の顔を世界標準の顔にしようとするようなものである。
 「細部は全体であり 全体は細部である」 とするフラクタル宇宙の構造法則からすれば 「地域を失った全体で構成されたインターネット社会」 とは 「細部を失った全体で構成された宇宙」 のようなものであって存在そのものさえ危うい状態にある。

2019.02.25


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