Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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いつ生きるの? 今でしょう
 「いつやるの? 今でしょう」 は東進ハイスクールの講師、林修氏が放った 「名セリフ」 である。 氏はこのセリフをもってその後の地位を築いたといっても過言ではない。 予備校生に放ったこの一撃は漫然と生きていた彼らの意識と脳髄に強い 「覚醒の衝撃」 をもたらすに充分であった。
 その名セリフはまた 「過去・現在・未来」 と連結された線形時間が存在せず 「時は流れない」 とした私の時空概念を表象している。 過去は記憶で未来は想像で構築されている意識世界であって、リアルとしての運動で構築されている物質世界である現在とは本質的に異なっている。 であれば 「いつやるの?」 と問われれば、仮想としての過去や未来などの 「虚空間」 ではなく、 実在としての今の今である 「実空間」 としての現在でしかないのは当然のことである。
 だがこの名セリフが受験戦争のための名アドバイスとしてのみ称賛されていてはその覚醒ははなはだ矮小である。 しかり、人が生きる根源に向けた 「いつ生きるの? 今でしょう」 に展開されてしかるべきである。 東大に合格する以上に 「生きることへの覚醒」 は喫緊の課題なのであるから。

2019.02.12


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