Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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臨機応変の対応力とは〜非常識のすすめ
 人間、誰しも多かれ少なかれ事の決断に迷うことがある。 迷うことは必要なのか、それとも不必要なのか? 功罪相半ばするところからすれば、必要でもあり、不必要でもあることになる。 ただその迷いには 「限度」 を設ける必要があることは確かなことだ。 際限なく迷っていたら事は先には進まない。 どこかでは 「ふんぎり」 をつけなければならないのである。 「物事3度」 の諺からすれば、3度も迷えばどちらかに決断することが妥当であろう。
 人間の知力をもってしても事象の先行きを精確に予測することはできない。 言うなれば 「未来は確率に支配された不確かな世界」 なのである。 従って 「人生の核心」 はこの不確定な 「確率の世界」 といかにつき合っていくかに関わっている。 未来の確率を100%で予測できないとするならば 「それを前提」 として生きていくことが妥当であろう。 より言えば、綿密な計画を練るよりも、その計画が外れたことを想定して生きていくことが実効的である。 その実効性の根底にあるのは 「対応力」 である。 さらに言えば 「臨機応変の対応力」 である。
 では臨機応変の対応力とはいかなるものか?
 何が起きるかわからない 「あらゆる未来事象」 の対応方法を事前に準備しておくことなど非現実的であって非効率である。 現実的に考えれば事象が発生した 「その時 その場」 で対応方法を考え出すことが効率的である。
 「Pairpole 宇宙モデル」 では、時間軸に沿った(時間経過が在る) 「連続宇宙」 と、時間軸に垂直な(時間経過が無い) 「刹那宇宙」 で構成されている。 連続宇宙は時間経過から生まれる 「因果律が主導する世界」 であり、刹那宇宙は時間 0 の 「超因果律が主導する世界」 である。 臨機応変の対応力が必要とされる 「その時 その場」 とは、言うなればこの時間 0 の 「刹那宇宙」 のことである。 依って臨機応変の対応力は 「超因果律」 から導き出されることになる。
 因果律が主導する頭脳が記憶力(認識性)を司る左脳であるのに対し、超因果律が主導する頭脳は直観力(感受性)を司る右脳である。 前者はコンピュータが得意とする能力であり、後者は人間ならではの能力である。 還元すれば、前者は常識的であり、後者は非常識的である。
 以上まとめれば 「臨機応変の対応方法は感受性に支持された人間的な直観力によって非常識の中から発見される」 ということになる。

2018.07.04


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