Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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情報化社会の解毒剤
 情報化社会では情報が加工され脚色されときとして捏造される。それが昂じるといつしか人は1を1として認識しなくなる。より言えば「確信」がもてなくなる。1が本当に1であるかを疑いだすのである。1は2ではないかと意識の中で考えている分には妄想ですまされるが、それが現実の行動に波及すると生活に破綻をきたす。信号機の赤が青と疑いだしたら車は運転できない。1は1であって考えるまでもない。1を1として行動し、2を2として行動することは「理の当然」である。
 陽明学の教え「知行合一」は知と行の一致を説く。その意味するところの一般的な解釈は「知って行わざるは 知らぬに同じ」である。 そのご私は、その解釈を「行動するように考え 考えるように行動する」に変換した。 そして今、情報化社会に蔓延する知と行の「不一致」を前にして、以下のように解釈を変換する必要がある。
「知の1を行の1に 行の1を知の1に 合致させる」
 単純明快な解である。だがこれこそが情報化社会の害毒を中和させる特効薬(解毒剤)として機能するはずである。

2017.09.08


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