Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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流星ワルツ〜歌声は彗星のごとく
 この曲が作られたのは1977年のことである。 「ふきのとう」の楽曲である。
 「ふきのとう」はともに北海道出身である山木康世と細坪基佳によるフォークデュオで1970年代のフォークブームを代表するグループのひとつであった。だが私はその「ふきのとう」という名前は知ってはいたがその楽曲の世界からは遠ざかっていて聴いたことがなかった。なぜにそうであったのかは記憶にない。しいて言えば関心がなかったというところであろう。
 だが最近になって聴く機会があり「ふきのとう」とはこんな曲を歌っていたのかと認識を新たにした。それとともにその曲想がいやに心にしみいるのである。表題の「流星ワルツ」の他に、「春雷」、「思い出通り雨」、「風来坊」 ・・ 等々。
 40年の歳月を隔てても少しも古いとは感じないほどに新鮮な情感で満たされている。当の彼らは18年間の活動を経たあと1992年に解散、そのご2017年の現在に至るも再結成されていない。
 今の彼らの歌を聴きたいところではあるがそれでいいのであろう。 彼らの歌声はそれこそ彗星のごとく時空を回遊して再び回帰してくるのであろうから ・・ その周期はハレー彗星のごとく75年を要するものなのか ・・ はたまた縄文の世に回帰するほどのものなのか ・・ 誰もわからない。
 それを知ってか知らずか彼らは流星ワルツの中で「今は涙をふいて ワルツを踊りましょう 足なみそろえて 流星ワルツ」と歌っている。

2017.08.28


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