Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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失われゆく未来
 世界から未来が失われようとしている。 あるのは不確定性に満ちた明日である。それを未来というのかどうかはわからない。明日になってみなければどうなるか分からない未来では予定が立たない。まして1年先など計画してみても意味がない。
 この状況はかなり深刻である。予定が立たない日々をどう生きるのか? 予定が立った日々を生きてきた人間には手の施しようがない。人類はこの予定が立たない日々を生きる方法としてAI(人工知能)に頼ろうとしている。だが全員がAIに頼ったときにいかなることが起きるのかは定かではない。あるいは現状のカオス的混沌はさらに増幅されてついには再び意味を失ってしまうのかもしれない。
 この状況に対応する方法はともかく、この状況に対応する人間の意識コントロールがまずは急務である。人間をとりまく外界の変質に対応する前に、内なる人間の内界が崩壊してしまっては元も子もない。とかく人間の内なる意識は外界の影響をうけやすい。内界が鍛えられていない現代人においては外界即内界であって、外界に一喜一憂してしまう。如何なる外界状況であっても、明鏡止水のごとく内界をコントロールできる人物は希少である。 だが今求められているものはこのような内界である。
 身の周りの大変だ大変だは、日本全体から観ればそう大変なことではなく、世界全体から観ればとるに足りないことであり、宇宙全体から観ればどうでもいいようなことである。
 忘れてはならない肝心なことは外的物質世界は内的意識世界から投影された現象世界であるということである。外的現象世界が混沌を極めたとしても内的意識世界が明快であれば倒れることはない。

2017.07.28


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