Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

想像すべきことを想像する〜近未来社会の風景
 情報化技術の進化は、インターネットをスマートフォンに、コンピュータを人工知能(AI)へと導いた。現代人にとって、今やスマートフォンは「生活の必需品」であり、人工知能は「仕事の必需品」になりつつある。かくなる必需品に支えられた社会は様相を瞬く間に変容させていく。それは、買いものはデーパートへ行くよりはネットで、仕事は自ら考えるよりはAIで ・・ というように。
 このような変容が行き着く近未来社会の風景を想像することはSF小説やSF映画を現実に目にするような既視感を覚える。これが夢の実現なのか、それとも悪夢の将来なのか今はわからない。遡る70数年前に原子爆弾を考え出した人類は「パンドラの箱(※)」を開けたと指弾された。
 そして今また人類は別の「パンドラの箱」を開けようとしているのか? しかしてその破壊力はどれほどのものなのか? まして人類はその衝撃に耐えることができるのか? 想像すべきことを想像するとは「かくのごとし」である。
※)パンドラの箱 : ゼウスがパンドラに持たせた、あらゆる災いの詰まった箱(本来は壺)。彼女が地上に着いたとき好奇心から開けたところ、すべての災いが地上に飛び出したが、急いでふたをしたので希望だけが残ったという。

2017.06.26


copyright © Squarenet