Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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巨大な人工知能〜情報化社会に想う
 地球上にくまなく張りめぐらされた情報ネットワークが脳細胞を繋ぐシナプスのように機能しそれ全体があたかも巨大な人工知能となって自ら考え始めるとともにやがては心をもつようになることはないのであろうか?
 局所で使用されるロボット的な人工知能であればまだしも地球規模の体と世界人口70億人規模(※)の脳細胞をもった人工知能ともなれば、どこからどこまでが人工で、どこからどこまでが自前の知能なのかさえ、我々人間そのものが自覚できなくなってしまうのではあるまいか?
 最近注目されている「ビックデータの運用」とは、その巨大な人工知能に蓄積された記憶データの運用を意味しているのではないか。人類は知らず知らずのうちにユーチューブで、ツイッタで、インスタグラムで、そのデータ収集に荷担させられているのかもしれない。
 間違いもあまりに大きくなると「どこが間違いか」がわからなくなってしまうことはこの稿で度々述べてきたことである。同様に仕組みもあまりに大きくなると自分が「何をうけもっているのか」がわからなくなってしまう。あるいはこれこそが情報化時代の核心なのかもしれない。
 巨大な人工知能の下で生きる人類の未来像とはいったいいかなるものなのであろうか? それもまた人智を超えて予測不能である。
※)現在の世界人口は約73億人。2050年までには97億人に増えると予測されている。

2017.04.28


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