Linear 明日を拓く価値ある知的資産(知的所有権/知的財産権)とは

市場創出型開発手法への転換
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 開発の手法として、私は常々「市場迎合型開発手法」と「市場創出型開発手法」の2つの類型があることを述べてきました。

 市場迎合型開発手法とは、市場が現に要求している製品や役務(サービス)を、市場調査等により調査し、「どのような商品」が、「どのような機能」で、「どのような価格」ならば、「どのくらい売れる」・・等々の調査結果に従って、研究開発計画が立案され、かかる研究開発が実行されていく開発手法です。

 市場創出型開発手法とは、開発される製品や役務(サービス)を、開発者個人に具現化された「独創性」や、「着想力」や、「ひらめき」・・等々のアイデアに従って、研究開発計画が立案され、かかる開発が実行されていく開発手法です。

 市場迎合型開発手法の長所は、市場が要求するものを開発するため、商品化された製品や役務(サービス)は社会的、経済的に保証されます。つまり、一定の市場評価や、売上等が保証されます。短所は、市場の要求に開発者の認識が拘束され、思考の飛躍が小さくなり、いわゆる改良的開発にとどまり、発明的開発に至る可能性が低くなります。

 市場創出型開発手法の長所、短所は、市場迎合型開発手法と裏腹になります。つまり、開発者の認識が拘束されないために、思考の飛躍が大きくなり、発明的開発に至る可能性が高くなります。しかしながら、商品化された製品や役務(サービス)に対応する市場が存在しないため、予定された市場評価や、売上等は保証されません。市場は開発された商品に応じて創出しなければなりませんが、時としては市場迎合型開発商品では達成されることがない大市場が形成され、高評価と高売上が達成される可能性を内蔵しています。

 従来、欧米では多く市場創出型開発手法が採用され、日本では多く市場迎合型開発手法が採用されてきました。このため、欧米においては独創的思考に支えられた多くの大発明が生まれ、日本においては改良技術に支えられた多くの高品位商品が生まれました。つまり、両者の開発手法の違いが、このような開発成果の差異となって顕れたわけです。

 しかしながら、近年に至り、市場の構造が大きく様相を転じてきました。様相の変化はさまざまに説明されるところですが、要点を絞って問題を還元しますと、従来の製品や役務(サービス)についての市場が消滅しつつあるという事実です。

 迎合すべき市場が無きところ、市場迎合型開発手法は意味をなしません。ここで誤謬を恐れずに言いますと、日本がここまで未曾有の経済発展を達成することができた理由は、この迎合できる市場が現に存在し、その市場に巧みに迎合してきたからに他なりません、それが「made in Japan」というトレードマークの意味するところであったわけです。

 このような市場構造の変質を自覚することなく、従来の市場迎合型開発手法を踏襲し続けることは、何らの問題も解決しないだけでなく、場合によっては企業経営そのものを危うくすることになります。

 単純に考えれば、市場がないのであれば、創りだせばよいのですから、従来の日本型開発手法であった市場迎合型開発手法から脱却し、市場創出型開発手法へと大きく舵を転換すればよいわけです。

 そのためには、まず最初に、開発環境や開発価値観を、大きく転換しなくてはなりませんが、実はこの転換が日本企業にとって最大の難関です。

 巷間言われるごとく「良薬はいつの世も苦い」ものなのです。

 これらの転換について一例を述べれば、従来の市場迎合型開発手法で重要視された社会学や経済学的な視点から、市場創出型開発手法で重要視される科学や哲学的な視点への転換であり、またそれを体現する独創的着想力をもった研究開発者の発掘、養成・・等々です。

 本物の創造とは、常に未来を創りだす力をもっているものです。

 そして今、未来に向けて立ち尽くしている現代社会において、この未来を創りだす力が、何にもまして渇望されています。

 本物の創造実現を通じて、新たな未来を創りだし、さらなる可能性の荒野を開拓することこそ、研究開発者に任された使命であり、特権であり・・また代えがたい醍醐味でもあります。

 2004.2.06

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グローバル経済と知的財産権の意味
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市場創出型開発手法への転換
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