Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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森の小径 / 長野県茅野市北山
余りある
 蓼科高原の杜鵑峡(とけんきょう)をめぐる遊歩道の入口で出逢った「森の小径」である。杜鵑峡とは「杜鵑(ホトトギス)が鳴く峡谷」という意で、信濃十名所の一つとされる景勝地とのことである。訪れた日は季節はずれの台風が東海沖を通過中、昨夜来の大雨の後であり、遊歩道の入口に立てられた案内板には、道程は一周30分ほどであること、大雨が降ると遊歩道が水没する等の旨が書かれていた。近くを流れる渓流からは、それを証するがごとく激しい轟音が響いている。どうやら次回にまわした方が無難であろうと踵を返したが、したたか雨に打たれ、洗い尽くされた新緑の小径は、しっとりとした雰囲気を醸し出し、この日の労に報いてくれて余りあった。
2011.5

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