Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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科学と哲学〜解釈と納得
 科学で重要なことは解釈であり、哲学で重要なことは納得である。
 より丁寧に言えば、科学は現象を客観的に観察することで得られた結果をどのように解釈するかを追求するものであり、哲学は人生を主観的に思考することで得られた結果をどのように納得するかを追求するものである。
 例えて言えば、アインシュタインの相対性理論から得られた科学的帰結である「空間は変形」し「時間は伸縮」するという現象をどのように解釈するかであり、 フッサールの現象学から得られた哲学的帰結である「現象世界は意識が編集した心象世界である」という観念をどのように納得するかである。
 これらの解釈や、納得は、それほどに簡単ではない。「空間が、捻れたり、歪んだりする」ことや「時間が、伸びたり、縮んだりする」ことを、自らの頭脳をもって解釈できている人の数は驚くほどに希少であろうし、「目にする現象世界が、自らの意識が編集した心象世界である」ことを、自らの心をもって納得できている人の数もまた驚くほどに希少であろう。
 だが、科学にして、哲学にして、その現象や、観念を、知っていること自体には、それほどたいそうな意味はなく、決定的に重要なことは、その解釈であり、その納得である。それなき科学や哲学は、魂が入っていない仏のように「無意味」であって、その追求はやがて「大いなる徒労」に逸する。

2016.11.24


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