Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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春は来たものの
 南から桜開花の報が届き、陽光に明るさと温かさが増し、春はそこまでやって来た。 だがこの期待感のなさはどうしたことか。 時代が進めば進むほどに未来に対する期待感が枯渇していくように感じられる。 理由は多々考えられるが、最大の要因はコンピュータの普及であろう。 さらに言えば、時代を動かす原動力が人間からコンピュータに「パワーシフト」してしまったことである。
 今では人間が何もしなくてもコンピュータがかってに日常業務をやってしまう。 人間のほうもまたその利便性にかまけてコンピュータに任せっきりである。 かかる傾向はコンピュータ能力が増進すればするほど急速に進展するであろう。 すべてお任せの「全自動洗濯機」が登場したごとく、やがては人間生活のすべてをお任せする「全自動生活機」が登場するであろう。 この状態で人間に未来に向けて「夢をもて」、「期待しろ」と言ってみても、どうも意気あがらない。

2015.03.24


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