Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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一将功成りて万骨枯る

 この世の成否が「人間の欲」と「宇宙の理」の対決構造に還元されることは「宇宙の理をまとう者(第802回)」で述べた。この対決構造はまた「経済」と「科学」の対決構造に置換される。経済学とは多く人間の欲について研究したものであり、科学とは多く宇宙の理について研究したものである。今や経済学の隆盛はめざましく他の追随を許さない。哲学も文学も芸術もまたたくまに経済学に飲み込まれていく。それはあたかもブラックホールのごとき貪欲さであって、まごまごすると科学さえ飲み込む勢いである。 「一将功成りて万骨枯る」とは言い得て妙である。

2014.05.08


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