Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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情報化時代考(2)

 物質的大量消費構造が「百貨店」、「スーパー」、「コンビニ」・・等々の「物的商品大量流通技術」の進歩発展によって達成されたように、意識的大量消費構造はまた「衛星通信」、「インターネット」、「携帯電話」・・等々の「情報商品大量流通技術(IT技術)」の進歩発展によって達成されることになる。

 衛星通信は数百チャンネルの世界放送局を登場させ、インターネットと呼ばれる超大型百貨店、兼スーパー、兼コンビニでは、あらゆる情報商品がところせましと陳列され、ほとんどタダ同然で売られ、携帯電話はもはや電話にとどまらず、文章を郵送する「葉書」であり、映像をとらえる「写真機」であり、その写真を電送する「ファクシミリ」であり、自分の位置を確認する「ナビゲーション装置」であり、支払いを決済する「キャッシュカード」であり・・である。

 情報商品に「鮮度」が求められることは物的商品と何ら変わりなく、古くなった情報は価値を失い、陳腐化し、やがて廃棄(忘却)される。
 IT技術の急速な進歩は「3日」もすれば、その情報商品鮮度を劣化させ、陳腐化させてしまう。それどころか、昨今ではその劣化速度に加速度が加わり「1日」もつかどうかの状態である。

 以上を考察すれば、物質的過剰により工業化社会が飽和したよりもさらに短期間で、意識的過剰により情報化社会は飽和してしまうことが予測される。

 物質的欲求が飽和し、さらに意識的欲求が飽和したとき、いったい人類は「いかなること」になるのか・・もはや為すべき事は「何もない」ように思えるのだが・・・。

2006.1.11

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