Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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天才と秀才
 天才はもともと「本物」であり、秀才はどこまで行っても「偽物」である。
 天才は本物がゆえに「処世術」には頼らないが、秀才は偽物がゆえに「処世術」に頼る。

 処世術とは、言うなれば、世の評価をいかに獲得するかの「方策」であるが、本物であることと、世の評価を獲得することの間には、直接には関係がない。世の評価の獲得は本物であることを保証するものではなく、往々にして、時の経過の中で、その誤りを証明することの方が多い。

 本物にあるのは、あらゆるものから独立した、掛け値なしの「重さ」である。

 ゆえに、天才はそのあらゆるものから独立した「重さ」ゆえに「寡黙」となり、秀才はその世評に従属する「言い訳」ゆえに「饒舌」となる。

2004.2.12

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