Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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有と無の狭間
 我々が現実として生きているこの世界は、無と有が混在した不可思議な宇宙である。無からさまざまな有が生まれ、またさまざまな有が無に消滅している。その様は、まさに川面に浮かぶ「泡沫(うたかた)」のようであり、かつ生まれ、かつ消えているのである。

 その様相は人間の生死も同様であり、朝の紅顔、夕べの骸骨であり、生きる(有)と、死せる(無)は、日々繰り返されている。

 有と無は、また創造と破壊に換言される。生きている者のひいき目では、どうしても生や創造の「有」に執着してしまうが、実は対極である死や破壊の「無」こそが、探求されなければならない。

 この両極を繋ぐ時空のトンネル(ワームホール)が思惟ではなかろうか・・?

 私はこの稿で、対称性「Pairpole」と、その対称性の破れ「Pairpoleの狭間」について探求を進めてきたが、この世における、根源的Pairpoleとは、この「有と無のPairpole」である。

 Pairpoleの狭間は、対称性が崩れた空間であり、エネルギが活性化している空間である。有と無の狭間の空間もまた同様に、無から有への発生、有から無への消滅で沸き立っている。物理学的に表現すれば、有と無のエネルギが「ゆらぎの状態」にある。

 我々が生きるのは、この有と無の狭間の空間(世界)であり、我々の実相は、有でも、また無でもなく、その有と無の相転換が織りなす態様である。我々はその有と無の相転換の狭間で、「変幻自在」であり、「万能自在」である。

 しかして、その相転換を制御するものが「思惟」であり、有と無の世界を繋ぐ「意識ワームホール」もまた、この思惟によって発見されるであろう。

2003.4.14

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