Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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時間と空間
 時間を追求すると「始まりと終わり」に行き着き、空間を追求すると「在ると無い」に行き着く。

 私著「Pairpole(物質編)」では始まりと終わりの時間問題は「循環認識」に至り、我々は何度も同じ人生を繰り返すという帰結に行き着いた。「我々は生まれ続け、生き続け、死に続ける」というわけである。

 在ると無いの空間問題は「対称認識」に至り、「あれとこれ」の対称的存在(Pairpole)が空間を発生させるという帰結に行き着いた。「無は在るから生まれ、在るは無から生まれる」というわけである。

 我々は時間と空間で規定された時空間に存在しているわけであるが、「Pairpole(物質編)」の結論は「この宇宙(時空間)には大きさ(物質)が無く、仕組み(意識)だけが在る」という帰結であった。

 これを換言すれば、我々が実在として感じる時空間は意識作用で誘起された仮想世界ということになる。辿ってきた科学的追求はここに至って、心理学的追求に引き継がれることになる。

 私の現在に於ける知的探求問題は「意識に物質が宿るのか・・? それとも物質に意識が宿るのか・・?」というものであり、「意識に物質が宿る」という思考検討の過程にある。

 宇宙存在の本質は意識であり、意識は時空の彼方から飛来し、この現実空間に仮想の物質的世界を投影し、時空の彼方へ飛び去って行く。

 「時空の巡り逢い」とは、また去来するこの「意識の巡り逢い」でもある。

2002.9.27

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